犬や猫の乳頭腫について|皮膚に「イボ」を見つけたら要注意!|茨城県つくば市の『さくま動物病院』

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2023/11/06

わんちゃん,猫ちゃん,スタッフブログ

犬や猫の乳頭腫について|皮膚に「イボ」を見つけたら要注意!

皆様は犬や猫の皮膚に「イボ」を見つけたことはありませんか?
イボの多くはパピローマウイルスというウイルスが原因の良性腫瘍ですが、放置しておくとイボが大きくなったり全身に広がるため注意が必要です。

今回は犬や猫の乳頭腫について詳しく解説します。


乳頭腫とは

乳頭腫とは、皮膚や粘膜に発生する良性腫瘍で、カリフラワーによく例えられる特徴的な見た目をしています (Ωのような形で、外側が少しゴツゴツしている)。
通常、出血や痛みはありません。

猫での発生は稀ですが、乳頭腫はウイルスが原因であることがほとんどです。なお、高齢犬に見られる乳頭腫は原因不明であることが多いです。

ほとんどの乳頭腫が無治療で数カ月以内に消滅しますが、ごく稀に口や粘膜に発生した
乳頭腫が扁平上皮癌という悪性腫瘍に進行することがあります

原因

ウイルスが関与している場合は「パピローマウイルス (別名:乳頭腫ウイルス)」が原因です。このパピローマウイルスは自然界に広く存在します。

皮膚の細かい傷から侵入したウイルスが、基底細胞と呼ばれる皮膚の細胞に感染すると、感染した細胞の細胞分裂が過剰に行われます。これが乳頭腫の正体です。

症状

犬や猫の乳頭腫は良性の腫瘍であるため、皮膚にイボができる以外の特別な症状は見られません。
そのため、病院に行かずに自宅で様子を見ていても健康上の問題はないでしょう。

しかし、イボは少しずつ大きくなるため、犬や猫がイボを気にして噛んだり、引っ掻いたりすると皮膚が炎症を起こしたり出血したりすることがあります

診断方法

飼い主様から詳しいお話を聞いた後に、イボを注意深く観察したり実際に触って確認します。
見た目から明らかに乳頭腫である場合は、以上の検査で診断します。

さらに、肥満細胞腫や悪性黒色腫 (メラノーマ)といったその他の腫瘍の可能性がある場合は、細い針を刺してイボの細胞を採取し病理検査を行います。

治療方法

ほとんどの乳頭腫は動物の免疫により自然治癒するため治療の必要はありませんが、

・口の近くにできてご飯が食べづらい
・手足の先にできて歩くたびに出血する
・犬や猫が気にして舐めたり掻いてしまう

といった症状の場合は治療を行います。

治療を行う場合は切除が基本であるため、電気メスやレーザーを使ってイボを丸ごと摘出します。
また、液体窒素を使ってイボの細胞を凍結させる凍結療法も有効です。

予防法や飼い主様が気をつけるべき点

乳頭腫の原因であるパピローマウイルスは感染力が強いため、ドッグランのような他の犬と接触しやすい場所では気をつけましょう
また、規則正しい生活とバランスのとれたフードを心がけて、犬や猫の免疫を低下させないことも重要です。

まとめ

犬や猫の乳頭腫のほとんどは良性腫瘍であるため自然に消滅しますが、ごく稀に悪性腫瘍へと進行することがあります。
イボのサイズが急激に大きくなったり、2〜3ヶ月経っても治らない場合は動物病院で検査を受けましょう。


茨城県つくば市・牛久市・土浦市を中心に動物診療を行う

さくま動物病院

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