毛包腫瘍とは、皮膚の毛穴から発生する腫瘍で、ほとんどの場合は良性であると言われています。
毛包腫瘍と呼ばれるものには「毛芽腫」「毛包上皮腫」「角化棘細胞腫」「毛根鞘腫」「毛母腫」などがありますが、中でも犬と猫で発生が多く見られるものは毛芽腫です。
今回は、犬と猫の毛包腫瘍について解説していきます。
犬や猫の毛包腫瘍の原因
犬と猫における毛包腫瘍の原因や、発生するしくみは今のところ分かっていません。
しかし、毛包腫瘍の中でもよく見られる毛芽腫の場合は、6~9歳の犬や、プードルやコッカー・スパニエル、雑種などの犬種で発症のリスクが高いことが分かっています。
犬や猫の毛包腫瘍の症状
毛包腫瘍は犬や猫の頭部や頚部、背中に発生することが多く、触るとコリコリとした固くて丸いドームのような形をしており、周りの皮膚との境目がはっきりとしています。
腫瘍の発生は一般的に一か所のみですが、まれに身体の様々な部位に多数発生することがあります。
また大きさは直径1~2㎝であることが多いですが、それ以上の大きさになることもあります。
腫瘍が大きくなったり、破れて腫瘍の内容物が出たり出血したりすると炎症を起こすことがあるため、その場合には患部を気にして舐めたり、引っ掻いたりする様子が見られます。
犬や猫の毛包腫瘍の診断方法
診断には、一般的に注射の針を使って腫瘍内部の細胞を吸引し、顕微鏡で調べる検査を行います。
ただし、それだけでは腫瘍の詳しい種類までは特定できないことも多いため、確定診断として腫瘍の一部または全体を切除・採取し、病理組織検査をする必要があります。
犬や猫の毛包腫瘍の治療方法
毛包腫瘍はほとんどの場合で良性なので、外科的に切除をすることで治癒します。
ただし腫瘍が次第に大きくなったり、他の部位にも多数できてしまったりすることもあるので、できるだけ早期に手術をすることが大切です。
犬や猫の毛包腫瘍の予防法
腫瘍の発生を予防する方法は残念ながらありませんが、早期の発見によって状態の悪化を防ぐことは可能です。
日頃からペットとのスキンシップを取るようにし、身体に触ってしこりや痛みなどの異常がないかを確認するようにしましょう。
まとめ
毛包腫瘍は、犬と猫における皮膚疾患でも比較的多く見られる病気です。
腫瘍自体は良性であることが多いですが、時間の経過とともに腫瘍が大きくなったり、自壊したりすることで症状が悪化する恐れもあるので注意が必要です。
毎日の習慣としてペットの様子や身体にしこりなどの異常がないかをチェックし、早期発見、早期治療に努めましょう。
茨木県つくば市・牛久市・土浦市を中心に動物診療を行う
さくま動物病院