犬の耳にしこりが?耳に発生する腫瘍の原因や症状を解説|茨城県つくば市の『さくま動物病院』

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2024/01/31

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犬の耳にしこりが?耳に発生する腫瘍の原因や症状を解説

犬の耳にしこりを見つけたことはありませんか?犬の耳に発生する腫瘍には良性のものと悪性のものの両方があります。
良性腫瘍で多く見られるのは、耳垢腺腫・乳頭腫などです。悪性腫瘍では耳垢腺癌・扁平上皮癌などがみられます。転移することは稀ですが、放置すると腫瘍が耳道軟骨に浸潤し手術で取り切ることが難しくなってしまいます。

今回は犬の耳に発生する腫瘍について、原因や症状、治療方法などを解説していきます。


原因

耳に腫瘍ができる原因は解明されていませんが、慢性外耳炎があり、炎症を繰り返すことが腫瘍の発生に影響する可能性があるとされています。

症状

腫瘍により耳道内が狭窄(きょうさく)または閉鎖することで、耳道内の通気性が悪くなったり、耳道内の分泌物が耳の外へと排出されづらくなったりします。そのため、外耳炎が起きやすく、かつ治りにくい状態になります。
また、腫瘍が自壊してしまうと独特な悪臭を放ち、耳ダレがでることもあります。

腫瘍の発生部位によっては旋回や斜頸眼振などの神経症状がでることもあります。

診断方法

耳道の狭窄が軽度であれば、耳鏡という道具で耳の中を診察し腫瘍を確認できます。狭窄が重度で耳道内を視認できない場合は、CT検査やMRI検査が必要になります。
腫瘍の種類や良性・悪性の判定には、腫瘍を切除し病理検査を行わないと判断ができません。

治療方法

腫瘍を外科的に切除することが根本的な治療法になります。
垂直耳道切除は切除範囲が小さい分負担も少ないですが、再発する可能性が高いです。
全耳道切除や鼓室胞骨切り術は切除範囲が広い一方、再発率が低いです。

どの術式を選択するか、メリットとデメリットをよく踏まえた上で主治医と話し合い決定することが大切です。
また、手術で腫瘍を取り切れなかった場合には放射線療法を組み合わせることもあります。

予防法やご家庭での注意点

犬の耳の腫瘍を完全に予防する方法は残念ながらありませんが、外耳炎との関連性が疑われているため、外耳炎の早期発見や早期治療を心がけることで腫瘍化の阻止に繋がる可能性があります。

まとめ

犬の耳の中は折れ曲がった構造をしているため、外からはどうしても途中までしか観察することができません。そのため動物病院でしっかりと耳の中を確認しないと、腫瘍があるかどうかわかりません。外耳炎を繰り返す場合や耳から臭い、出血などがある場合は動物病院で耳の中を観察してもらいましょう。


茨城県つくば市・牛久市・土浦市を中心に動物診療を行う

さくま動物病院


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