犬・猫が水をよく飲む・おしっこが多い|多飲多尿の原因と検査の進め方|茨城県つくば市の『さくま動物病院』

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2026/10/21

わんちゃん,猫ちゃん,スタッフブログ

犬・猫が水をよく飲む・おしっこが多い|多飲多尿の原因と検査の進め方

「水の器がすぐに空になる」「トイレシートの交換が増えた」。愛犬・愛猫にこうした変化があると、暑さのせいなのか、病気なのかと心配になりますよね。


水を飲む量と尿の量が増える「多飲多尿」は、腎臓病や糖尿病、ホルモンの病気などで見られます。ただし、症状だけで原因を判断することはできません。


今回は、ご家庭でできる飲水量の測り方と、多飲多尿の原因、尿検査と血液検査から順に調べていく流れを解説します。


多飲多尿とは?排尿回数の増加との違い

多飲は水を飲む量が増えること、多尿は1日の尿の総量が増えることです。病気によって尿が増え、失った水分を補うために水をたくさん飲む場合もあります。


犬ではトイレシートの濡れる範囲が広がる、猫では猫砂の尿の塊が大きくなるといった変化が、尿量の増加に気づくきっかけになります。


一方、少量ずつ何度も排尿する「頻尿」は、多尿とは異なります。膀胱炎などでも見られるため、回数だけでなく、1回に出る量や排尿時の様子も確認しましょう。


暑さや運動、ウェットフードからドライフードへの変更で飲水量が増えることもあります。しかし、生活環境に変化がないのに増えた場合や、涼しい場所で過ごしても続く場合は、病気が関係している可能性があります。


ご家庭でできる飲水量の測り方

診察では「よく飲む気がする」という情報に加え、実際の量が分かると判断の助けになります。普段の生活の中で、可能であれば2〜3日間、水を飲んだ量を記録してみましょう。


飲水量の測り方は、次のとおりです。


①決まった時間に、量を測った水を器に入れます。

②途中で追加した水の量と、水の交換時に捨てた量を記録します。
③24時間後に残った水の量を測ります。最初に入れた量と追加した量の合計から、残った量と途中で捨てた量を差し引くと、おおよその飲水量が分かります。


複数の器がある場合は、すべての量を合計します。こぼした分や蒸発もあるため、測定値はおおよその目安です。


犬では1日あたり体重1kgにつき90〜100mL
を超える飲水量が、多飲を疑う目安になります。ただし、猫ではこの目安より少ない量でも、多飲が疑われる場合があります。また、犬でも目安を下回っているからといって、病気がないとは限りません。飲水量だけでなく、以前と比べて明らかに増えていないかも確認しましょう。


また、ウェットフードや食事に加えた水からも水分を取っています。食事の種類や量も一緒に伝えましょう。多頭飼育で個別に測れない場合は、無理に隔離せず、飲む様子やトイレの変化を記録するだけでも役立ちます。


尿を減らそうとして水を制限しないでください
。病気によっては脱水症状を悪化させるおそれがあります。


多飲多尿から考える主な病気

水を飲む量や尿の量が増えたときに考えられる主な病気は、次のとおりです。


<腎臓病>

腎臓の働きが低下すると、尿を濃くして水分を体内に保つ力が落ち、尿量や飲水量が増えることがあります。初期には元気や食欲の変化が目立たない場合もあります。


猫の慢性腎臓病についてより詳しく知りたい方はこちら


<糖尿病>

血糖値が高くなり、尿に糖が出ることで尿量が増え、水をよく飲むようになります。食欲があるのに痩せるといった変化を伴う場合もあります。


<ホルモンの病気>

猫では、甲状腺ホルモンが過剰になる「甲状腺機能亢進症」が原因のひとつです。よく食べるのに痩せる、落ち着きがなくなるなどの変化が見られることもあります。


犬では、副腎皮質ホルモンが過剰になる「クッシング症候群」などを考えます。一方、ホルモンが不足する「アジソン病」でも多飲多尿が見られる場合があり、食欲低下や嘔吐、下痢なども診断の手がかりになります。


犬や猫の甲状腺機能低下症・亢進症についてより詳しく知りたい方はこちら


このほか、肝臓の病気や子宮蓄膿症、血液中のカルシウムの増加なども原因になります。ステロイドや利尿薬の影響で増えることもあるため、使用中の薬を伝え、自己判断で中止しないようにしましょう。


当院での検査|尿検査と血液検査から原因を絞る

当院では、水をよく飲むというご相談に対し、飲水量や食事、薬、体調の変化を伺い、診察とあわせて尿検査・血液検査から調べることが多くあります。


<尿検査で確認すること>

尿の濃さを示す「尿比重」は、腎臓が尿を濃縮できているかを考える手がかりです。ただし、水を飲んだ量や薬などにも影響されるため、薄い尿が出たという結果だけで腎臓病とは判断できません。


尿糖や尿タンパクも調べ、必要に応じて顕微鏡で血球や細菌、結晶などを確認
します。尿糖があれば血糖値と照らし合わせるなど、血液検査と組み合わせて原因を考えます。


<血液検査で確認すること>

BUNやクレアチニンなど、腎臓の働きに関連する数値に加え、血糖値、肝臓に関連する数値、ナトリウム・カリウムなどの電解質、カルシウムを確認します。血球検査では、貧血や炎症を疑う変化なども調べます。


これらの結果を尿検査や診察所見と合わせ「腎臓の働きに問題がありそうか」「糖尿病やホルモンの異常を調べる必要があるか」を整理します。


<結果に応じて次の検査を選ぶ>

例えば、尿が薄く、腎臓の数値にも異常があれば、脱水の有無などを確認し、再検査や超音波検査を検討します。血糖値と尿糖が高ければ糖尿病を疑いますが、猫では緊張で血糖値が上がることもあるため、再測定や過去の血糖状態を反映する検査を追加する場合があります。


また、猫の体重減少などから甲状腺機能亢進症が疑われれば甲状腺ホルモンを測定し、犬でアジソン病などが疑われれば、副腎の働きを調べる検査を検討します。


検査は一度で結論が出るとは限りません。最初の検査で分かったことと、まだ判断できないことを整理し、次に何を調べるかを決めていきます。


猫の腎臓の数値の見方と再検査のポイントについてより詳しく知りたい方はこちら

犬や猫の健康診断結果の見方と異常時の対応についてより詳しく知りたい方はこちら


受診の目安と相談時に伝えたいこと

飲水量や尿量の増加が続く場合は、元気や食欲があっても早めにご相談ください。急に増えた場合や、食欲低下、嘔吐、元気の低下を伴う場合は、当日中の受診をおすすめします。


ぐったりして立てない、繰り返し吐く、排尿姿勢を取っても尿が出ない場合は、速やかに受診してください
。飲水量の記録がそろうまで待つ必要はありません。


診察では、いつから変わったか、飲水量、尿の量と回数、食欲や体重、使用中の薬をお伝えください。尿を持参する場合は、採り方や保存方法を事前に当院へご確認ください。


まとめ

犬・猫の多飲多尿には、腎臓病や糖尿病、ホルモンの病気など、さまざまな原因があります。ご家庭での飲水量や排尿の記録は、原因を調べる大切な手がかりです。


当院では、尿検査と血液検査の結果、普段の様子を合わせて考え、必要な検査を順に検討します。「水の減り方が変わった」「おしっこが多い」と感じたら、次の健康診断を待たずにご相談ください。



茨城県つくば市・牛久市・土浦市を中心に動物診療を行う

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