健康診断は受けて終わりじゃない|犬や猫の結果の見方と異常時の対応|茨城県つくば市の『さくま動物病院』

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2026/05/21

わんちゃん,猫ちゃん

健康診断は受けて終わりじゃない|犬や猫の結果の見方と異常時の対応

「健康診断の結果を受け取ったものの、どこを見ればよいのか分からない...」と感じた経験のある飼い主様は、多いのではないでしょうか。


検査結果にはアルファベットや数値が並んでおり、「異常」と書かれているだけで不安になってしまう場合もあります。一方で、犬や猫の健康診断は、単に病気を探すためだけのものではありません。今の体の状態を知り、これからの生活や健康管理に活かしていくための大切な手がかりです。


犬や猫は、自分で不調を言葉にできません。そのため、見た目では気づきにくい変化を、健康診断によって早めに把握できる場合があります。


また、健康診断は「受けて終わり」ではなく、その結果をどう活かしていくかが重要です。数値の変化をきっかけに、食事や生活習慣を見直したり、必要に応じて再検査につなげたりすることで、病気の早期発見や健康維持につながります。


今回は、犬や猫の健康診断結果の見方や主な検査項目の意味、数値に異常が見られた際の考え方について解説します。


健康診断結果の基本的な見方|まず押さえたいポイント

健康診断の結果を見ると、ALTやBUNなどのアルファベットや数値が並んでおり、「どこを見ればよいのか分からない」と感じる飼い主様も多いと思います。


検査結果は、主に「項目名」「数値」「基準値」で構成されています。例えば、ALTやASTは肝臓、BUNやCre(クレアチニン)は腎臓の状態を確認する項目です。そのほかにも、RBC(赤血球)やWBC(白血球)など、体のさまざまな状態を確認する数値があります。


また、基準値はあくまで一般的な目安です。犬種や猫種、年齢、体格によっても適切な数値は異なります。さらに、検査前の緊張や食事、水分状態などによって、一時的に変動する場合もあります。そのため、数値が少し高い、あるいは低いからといって、すぐに病気と決まるわけではありません。


大切なのは、一つの数値だけを見るのではなく、全体のバランスや以前の結果との変化をあわせて確認することです。特にシニア期の犬や猫では、少しずつ変化している数値が、病気の早期発見につながる場合もあります。


なお、検査結果に「異常」や「H(高い)」「L(低い)」と記載されていても、必ずしも深刻な病気を意味するとは限りません。


不安な点がある場合は、数値だけで判断せず、愛犬や愛猫の普段の様子も含めて動物病院へ相談することが大切です。


主な検査項目と数値の意味|体のどこを見ているのか

健康診断では、主に血液検査や尿検査などを通して、以下のような臓器の状態を数値で確認しています。


<血液検査で確認する主な項目>

◆ALT、AST

肝臓に負担がかかっていないかを確認する数値です。


◆BUN、Cre(クレアチニン)

腎臓がしっかり働いているかを確認する数値です。


◆赤血球(RBC)

貧血がないかを確認する数値です。


◆白血球(WBC)

炎症や感染が起きていないかを確認する数値です。


<尿検査で確認する主な項目>

◆尿比重

尿の濃さを確認し、腎臓が水分を適切に調整できているかを確認します。


◆尿たんぱく

尿にたんぱくが出ていないかを確認する項目です。腎臓に負担がかかっている際に変化が見られる場合があります。


◆尿糖

尿に糖が出ていないかを確認する項目です。糖尿病などの異常を見つけるきっかけになる場合があります。


数値が高い・低いときに考えられるリスク

健康診断で「異常」と記載されていると、不安になる飼い主様も多いと思います。しかし、数値の変化にはさまざまな原因があり、一度の検査だけで病気が確定するわけではありません。


また、検査前の緊張や脱水、食事内容などの影響によって、一時的に変動する場合もあります。そのため、数値だけで判断するのではなく、症状や普段の様子も含めて総合的に確認することが大切です。


検査項目では、主に以下のような変化が見られる場合があります。


<血液検査>

◆肝臓の数値(ALT・AST)が高い場合

肝臓に負担がかかっていたり、炎症が起きていたりする可能性があります。一方で、一時的な脱水やストレス、食事内容などの影響によって変動するケースもあります。


◆腎臓の数値(BUN・Cre)が高い場合

腎機能の低下が疑われる場合があります。特にシニア期の犬や猫では、加齢による変化が関係しているケースも少なくありません。


◆赤血球(RBC)が減少している場合

貧血が関係している可能性があります。進行すると、疲れやすさや元気の低下などにつながる場合があります。


◆白血球(WBC)が増加している場合

体の中で炎症や感染が起きているサインとして表れる場合があります。ただし、興奮や緊張によって一時的に増加することもあります。


<尿検査>

◆尿比重が低い場合

尿をうまく濃縮できていない可能性があり、腎機能の低下や水分バランスの異常が関係している場合があります。一方で、水をたくさん飲んだ後など、一時的に変化するケースもあります。


◆尿たんぱくが出ている場合

腎臓に負担がかかっているサインとして見られる場合があります。ただし、一時的な炎症や採尿時の影響によって変化することもあります。


◆尿糖が出ている場合

血糖値の上昇が関係している可能性があり、糖尿病などの病気が疑われる場合があります。そのため、必要に応じて追加検査を行いながら詳しく確認していきます。


なお、一度の検査だけで確定的な判断を行うのは難しいケースもあります。そのため、必要に応じて再検査を行ったり、超音波検査やレントゲン検査などを追加したりしながら、総合的に判断していきます。


健康診断は「受けて終わりではない」|結果をどう活かすか

健康診断は、「今の状態」を一度確認して終わりではありません。毎年の結果を見比べながら変化を追うことで、「以前より少しずつ数値が上がっている」「体重が徐々に減っている」といった小さな異変にも気づきやすくなります。


特に7歳頃からのシニア期では、半年に一度程度の定期的な健康チェックを続けることで、病気の早期発見につながる場合があります。


また、健康診断の結果をきっかけに、食事内容を見直したり、運動量を調整したりすることも大切です。日々の過ごし方を少し意識することで、体への負担を減らしやすくなる場合があります。


具体的な見直しの例は、以下の通りです。


<体重が増えている場合>

食事量を見直したり、おやつの内容を調整したりしながら、適正体重を維持できるよう管理していくことが大切です。


<筋力低下が見られる場合>

体への負担に配慮しながら、無理のない範囲で運動量を調整していくことが重要です。


<腎臓の数値に変化が見られる場合>

フードの内容を見直したり、水分摂取量を確認したりしながら、腎臓への負担を減らしていく必要があります。


<肝臓の数値に変化が見られる場合>

食事内容や生活習慣を見直しながら、肝臓に負担をかけにくい生活を心がけることが大切です。


また、健康診断の結果とあわせて、以下のような変化を観察することが大切です。


・食欲が落ちていないか
・水を飲む量が増えていないか
・寝ている時間が極端に増えていないか
・呼吸の様子に変化がないか


異常値があったときの対応と動物病院でのサポート

健康診断で異常値が見つかった場合は、その内容によって必要な対応が異なります。
例えば、以下のような対応を行う場合があります。


<軽度の異常が見られる場合>

食事内容や生活習慣を見直しながら、一定期間後に再検査を行い、数値の変化を確認していく場合があります。


<複数の項目に異常がある場合>

体のさまざまな部分に負担がかかっている可能性もあるため、超音波検査やレントゲン検査を行ったり、より詳しい血液検査を追加したりしながら、原因を確認していきます。


<症状を伴っている場合>

食欲低下や元気消失、嘔吐などの症状がある場合は、病気が進行している可能性も考えながら、原因を詳しく調べていきます


また、検査結果を見ても、「どのくらい注意が必要なのか分からない」と不安になる飼い主様も少なくありません。そのようなときは、一人で抱え込まず、動物病院へ相談することが大切です。


なお、当院ではインフォームド・コンセントを大切にしながら、検査結果の意味や今後必要になる対応について丁寧にご説明しています。また、一般内科だけでなく、腫瘍疾患や心臓病にも対応しており、必要に応じて追加検査や継続的な健康管理をご提案しています。


「この数値はどのくらい気をつければよいのか」「食事内容は見直したほうがよいのか」など、小さな疑問でもご相談いただくことで、今後の生活のヒントにつながる場合があります。


まとめ

健康診断の結果は、単なる数字の一覧ではありません。愛犬や愛猫の体からのメッセージとして受け取り、これからの健康管理に活かしていくことが大切です。


また、数値だけで判断するのではなく、普段の生活や体調の変化とあわせて考えることで、より深く状態を理解しやすくなります。


健康診断は「受けて終わり」ではなく、その後の食事管理や生活習慣の見直し、必要に応じた再検査まで含めて考えることで、大切な犬や猫の健康維持につながります。


不安な点や分からない点がある場合は、一人で悩まず、動物病院へ相談しましょう。


なお、当院では健康診断後の結果説明や再検査のご相談にも丁寧に対応し、飼い主様と一緒に愛犬や愛猫の健康を継続的に見守ってまいります。



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