健康診断はなぜ重要?|犬猫の年齢別チェックポイントと異常の見つけ方|茨城県つくば市の『さくま動物病院』

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2024/12/19

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健康診断はなぜ重要?|犬猫の年齢別チェックポイントと異常の見つけ方

「愛犬や愛猫が元気そうに見えるけど、健康診断は必要?」と思うことはありませんか?健康診断は、普段の生活では気づきにくい病気の兆候や体調の変化を早期に見つけるために欠かせないものです。特に初期の段階で発見できれば、治療の選択肢が広がり、犬や猫への負担も軽減できます。また、定期的に健康診断を受けることで、愛犬や愛猫との幸せな時間を長く続けるための一歩となります。


今回は健康診断の重要性について、タイミングや早期発見できる主な病気、メリットなどをご紹介します。

犬と猫の健康診断で分かること

健康診断では主に以下のような検査を行います。それぞれの検査がどのような病気の早期発見に役立つのかをチェックしましょう。

<身体検査>
犬や猫の全身を観察して健康状態を評価します。たとえば、結膜の色や皮膚の状態、脱水の有無などをチェックし、異常があれば追加の検査を検討します。見た目ではわからない異常も、獣医師が診ることで発見できる場合があります。

<尿検査>
尿の生化学的状態(pHや尿比重など)や、尿中に結石の元となる結晶がないかを調べます。尿の性状は腎臓の健康状態を反映しており、結晶が見つかった場合は将来的に尿結石が形成されるリスクがあるため、早期発見が非常に重要です。

<糞便検査>
ブリーダーやペットショップなど、集団生活をしていた場合、内部寄生虫(おなかの虫)に感染している可能性が高まります。そのため、糞便検査を行い、寄生虫がいないかどうかを確認します。

<血液検査>
腎臓や肝臓、すい臓をはじめとする全身の臓器の状態を確認することができます。この検査により、ある程度の全身状態を把握することが可能です。

特にシニア期に入ると腎臓病や肝臓病などの疾患が増加しますが、これらは病気が進行するまで症状が現れないことが多いため、見逃しがちです。

健康診断を受けるべきタイミング

<子犬、子猫の時期>
新しい家族としてお迎えしたら、最初の1週間以内に健康診断を受けましょう。その際に、先天的な疾患(臍ヘルニアや鼠径ヘルニアなど)がないかや、今後のワクチン計画について詳しく説明を受けておくと安心です。

また、生後6か月頃になると避妊・去勢手術が受けられるようになります。手術前には血液検査を行い、全身状態を確認するとともに感染症の有無もチェックし、安心して手術を受けられる準備を整えます。

<成犬・成猫の定期検診>
避妊・去勢手術後は病院に行く機会が減りがちですが、4歳までは1年に1回、それ以降は半年に1回の健康診断を受けることをお勧めします。

また、受診のタイミングを覚えやすくするために、誕生月や季節の区切りに合わせると忘れにくくなります。


<シニア期の健康管理>
シニア期(おおよそ7歳以降)は、半年に1度の健康診断を行いましょう。若いころに比べて体力が低下し、病気のリスクも増えるため、些細な変化を見逃さないことが大切です。

健康診断で早期発見できる主な病気

健康診断で早期発見することができる代表的な病気は以下が挙げられます。

【犬で早期発見が可能な病気】
<心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)>
身体検査で聴診を行うことで、心臓に異常がある場合は心雑音を確認することができます。心臓病が進行すると、咳が出る、運動を嫌がるなどの症状が見られることがあります。心臓病は完治が難しく、治療では薬を使いながら症状をコントロールし、進行をできるだけ遅らせることが大切です。

<腎臓病>
血液検査や尿検査によって、腎機能の低下を確認することができます。腎臓病が進行すると、多飲多尿や食欲があるのに体重が減少するといった症状が現れることがあります。しかし、こうした症状に気づいた時点では、病気がかなり進行していることが少なくありません。そのため、症状が現れる前に健康診断を受けて早期発見することが重要です。

【猫で早期発見が可能な病気】
<腎臓病>
犬と同様に猫でも腎臓病が問題になることが多く、早期発見が重要です。

<糖尿病>
特に肥満の猫に多い病気で、多飲多尿や食欲があるのに痩せてしまうといった、腎臓病に似た症状が見られることがあります。糖尿病が進行すると、「糖尿病性ケトアシドーシス」という命に関わる状態に陥る可能性があります。そのため、早期に発見し、血糖値を正常にコントロールしてあげることが重要です。

<甲状腺機能亢進症>
高齢の猫に多く見られる病気です。異常に活発になり、興奮状態が続く、体重が減少するといった症状が現れることがあります。この病気を放置すると、心臓や腎臓に負担がかかり、心不全や腎不全を引き起こすリスクがあります。

健康診断を受けるメリット

<病気の早期発見と予防>   
症状が出る前に体の異常を見つけることで、治療の選択肢が広がります。また、病気の進行を防ぐためにも早期発見が重要です。 

<健康状態の把握>   
若いうちから定期的に検査を受けることで、健康な時のデータを蓄積できます。このデータがあることにより、将来の病気の兆候をより早く見つける助けになります。 

<飼い主様の安心感>   
健康診断を受けることで、愛犬や愛猫が健康であることを確認でき、安心して日々を過ごすことができます。健康診断は大切な家族の健康を見守るための心強いサポートとなります。

まとめ

健康診断は、愛犬や愛猫と一緒に健康で楽しい毎日を送るための大切な習慣です。年齢に応じた定期的な健康診断を受け、病気のリスクを減らし、日々の生活をさらに充実させましょう。大切な家族の一員である犬や猫の健康を守るために、ぜひ健康診断を積極的に活用してください。


茨城県つくば市・牛久市・土浦市を中心に動物診療を行う

さくま動物病院

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