犬のメラノーマについて|高齢犬の発症リスクが高い|茨城県つくば市の『さくま動物病院』

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2023/11/28

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犬のメラノーマについて|高齢犬の発症リスクが高い

メラノーマは黒色腫とも呼ばれ、メラノサイトというメラニン(黒色の色素)を生成する細胞が腫瘍化したものです。
 口腔内・皮膚・眼にできやすく、特に口腔内メラノーマは悪性のことが多いとされています。

今回は犬のメラノーマについて症状や治療法を詳しく解説したいと思います。 

原因 

メラノーマの発生原因は明確には解明されていません。 
メラノーマが発症しやすい犬種として、シュナウザー、プードル、Mダックスフンド、チワワ、コッカースパニエル、スコティッシュテリア、ゴールデンレトリバーなどが報告されていますが、どの犬種でも発生します。

 また、10歳以上の高齢犬で発症リスクが高まりますが、若い犬でも発症することはあります

 症状 

メラノーマの症状を部位別にご紹介していきます。

 ・口腔メラノーマ
 口唇や歯肉、舌、口蓋(口腔内の上の部分)などの粘膜に腫瘤ができ、口臭や出血の症状がみられます。 
腫瘤が大きくなると、食べ物を飲み込むときの痛みがあったり、飲み込みにくくなったりすることから、よだれ、吐き気、食べ物の逆流などもみられます。 
口腔内メラノーマは悪性であることが多く、リンパ節や肺など全身への転移も高率にみられます。

 ・皮膚メラノーマ 
ほくろのような目立たないものから、急速に成長する大きなものまで様々です。 
良性のものは黒色~茶褐色でドーム状の形状をしていますが、悪性のものは急速に隆起して大きくなることが多いです。腫瘍の表面が自壊して潰瘍化する、大きさが直径2cmを超えることもあります。

 皮膚メラノーマでは、良性も多いのですが、例外的に爪の下(爪床)や皮膚と粘膜の移行部にできたものは悪性であることが多いため、注意が必要です。 

眼のメラノーマ
 通常良性のことが多く、転移は稀ですが、腫瘤ができることにより眼圧が上昇し二次的に緑内障を起こしたり、眼内出血を起こしたりすることがあります。 
眼の痛みや違和感のため、擦り付けたり掻いたりすることで角膜を傷つける可能性もあります。 

診断方法 

メラノーマの診断には身体検査や細胞診、血液検査、レントゲン検査、CT、MRIなどが必要になります。

 ・身体検査 
体や頭部、口腔内などを念入りに視診および触診し、腫瘍を形成している部位を探します。
 ・細胞診 
腫瘍に針を刺して腫瘍組織の一部を採取し、細胞の種類や形態を観察します。院内で検査する場合と、病理検査会社に検査依頼をする場合があります。 

血液検査
採血して全身状態を確認します。外科手術が安全に行える状態かを把握したり、適切な治療を選択したりするために重要な検査です。 

レントゲン検査
胸や腹部のレントゲンで、臓器への転移はないか、外科手術を行う場合には麻酔に耐えられる状態かを判断するのに必要です。 

CT、MRI 
外科手術を検討している場合は、CTやMRI検査が必要なときもあります。腫瘍の浸潤(染み込むように広がる状態)の程度やリンパ節の腫れ、他臓器への転移も確認できるため、適切な手術計画を立てるためにとても重要な検査です。 

治療方法 

外科処置での腫瘍切除が非常に有効です。ただ、悪性のメラノーマは肺やリンパ節に転移することが多いため、切除後も化学療法(抗がん剤を投与し、腫瘍を小さくしたり、転移を防いだりする)や、分子標的薬(腫瘍細胞を攻撃する内服薬)を併用する必要があります。 
口腔内メラノーマでは、骨にまで浸潤していることが多いため、通常上顎骨切除もしくは下顎骨切除が行われます。 

一方で切除が困難な部位には、腫瘍に放射線を照射することで腫瘍を小さくし、進行を遅らせる放射線療法での局所コントロールが有効な場合もあります。 

予防法や家庭での注意点 

メラノーマは進行が早いため、リンパ節や肺などへの転移には注意が必要です。 

メラノーマの発生を事前に予防することはできないため、病気にいち早く気がつき、治療を始めることが大切です。 
歯肉の盛り上がりや、眼の変色などを発見したら動物病院を受診するよう心がけましょう。 

まとめ 

メラノーマのうち、特に口腔メラノーマは悪性度が高く、診断時には既に転移が起きていることが多い腫瘍です。口の中はなかなかみせてくれない子が多いですが、口臭や出血で気がつくこともあります。 
愛犬からの様々なシグナルを見逃さないようにしましょう。 


茨城県つくば市・牛久市・土浦市を中心に動物診療を行う

さくま動物病院

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