犬の皮膚組織球腫について|頭部、耳介、四肢に多くできるしこり|茨城県つくば市の『さくま動物病院』

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2023/09/28

わんちゃん,スタッフブログ

犬の皮膚組織球腫について|頭部、耳介、四肢に多くできるしこり

愛犬の皮膚にしこりがある!そんな時、飼い主様は悪いものかと不安になってしまいますよね。

今回は、犬の皮膚にできるしこりである、皮膚組織球腫について解説いたします。


特徴

犬の皮膚腫瘍として比較的発生率が高い良性腫瘍ですが、他の腫瘍と異なり、高率に自然退縮することが特徴です。


どの年齢の犬でも見られますが、特に3歳未満の若齢犬に多く発症します。また、ボクサー、ダックスフンドで好発すると報告されています。



症状と治療方法

皮膚組織球腫は、頭部(特に耳介や口唇部)、四肢に多く発生します。

典型的に、しこりの表面は脱毛し、赤色でドーム状に膨隆します。周囲との境界が明瞭で、単発性の病変として認められます。急速に成長しますが、3㎝を超えることはほとんどありません。また、痛みや痒みなどの症状を伴うことはまれです。


しこりはドーム状で成長が早く、1~4週間程度で成長します。そして、発症後1~3ヵ月以内に自然に退縮します。大多数は3ヵ月以内に退縮するため、無治療で経過観察を選択することが多いです。


しかし、3ヶ月を超えて退縮せずに残っている病変、自潰や感染などを起こしている病変、痒みなどの不快感がある病変に対しては、確定診断を兼ねた外科手術が選択されます。

自然退縮を待たずに、より早期の手術を行うことも可能です。



診断方法

しこりに針を刺して細胞を顕微鏡で観察します(細胞診)。または、外科手術で切除したしこりを検査します(病理診断)。


皮膚組織球腫は予後が良好な良性の腫瘍ですが、皮膚に発生する他の腫瘍との鑑別が重要です。皮膚には、肥満細胞腫やメラノーマ、リンパ腫などの悪性腫瘍が発生することもあります。

また、組織球腫の特徴をもつしこりが多発する場合には、別の疾患も疑われます。

皮膚にしこりをみつけたときには、見た目だけで判断せずに、獣医師の診察を受けましょう



予防法や飼い主様が気をつけるべき点

皮膚にできるしこりは、皮膚組織球腫の他にも悪性のものもあります。自己判断は避け、必ず動物病院に相談しましょう

また、日頃からスキンシップを行い、愛犬や愛猫に異変がないか気を配りましょう


何かお困りの際は当院までご相談ください。


犬のしこりについての記事はこちら





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