人間には健康に良い食べ物でも、犬や猫では中毒を引き起こす危険のある、食べてはいけないものがあります。
今回は、犬や猫が食べてはいけないものについて、詳しく解説していきます。
危険な食べ物と食べてしまった場合に見られる症状
犬や猫が食べてはいけない危険な食べ物と、食べてしまった場合に見られる症状については以下の通りです。
・ネギ類
タマネギ、長ネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウなどのネギ類を食べてしまうと、「有機チオ硫酸化合物」という成分によって赤血球が破壊され、溶血性の貧血が引き起こされます。
それにより、嘔吐や下痢、食欲不振、黄疸、赤色尿などの症状が表れます。
また、体重1㎏あたり5g以上のネギ類を摂取すると中毒症状が引き起こされると言われています。
・チョコレート
犬や猫はチョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインなどの成分を代謝させる能力が低く、食べてしまうと嘔吐や下痢、多飲多尿、痙攣、不整脈などの症状が見られます。
食べた直後は問題がなくても、数時間が経ってから中毒症状が出ることもあります。
体重1㎏あたり100㎎以上のテオブロミンの摂取をすると危険であると言われています。
・ぶどうやレーズン
食べてしまうと急性腎不全を起こし、嘔吐や下痢、食欲不振、ぐったりする、排尿がなくなるなどの症状が見られ、最悪の場合は命にかかわることもあります。
体重1㎏あたり3g以上の摂取で中毒症状が引き起こされるとされています。
・アボカド
「ペルシン」という成分により、嘔吐、下痢、呼吸困難などの中毒症状が見られます。
また脂質を多く含むため、膵炎になってしまうリスクもあります。
危険量の基準は明らかになっていませんが、ごく少量でも中毒になってしまう可能性があります。
・ナッツ類
ピーナッツやマカデミアナッツなどは、食べてしまうと嘔吐や震え、ふらつきなどの神経症状が表れます。
犬では体重1㎏あたり0.7g以上のマカデミアナッツの摂取で中毒症状が出た症例が報告されています。
・キシリトール
ガムやキャンディー、歯磨き粉に含まれるキシリトールを摂取すると、インスリンが過剰に分泌されることで急激な低血糖となり、嘔吐や下痢、震え、沈鬱などの症状が表れ、最悪の場合は命にかかわることもあります。
体重1㎏あたり100㎎以上の摂取で中毒になると言われていますが、0.03㎎の摂取で症状が出たという報告もあります。
食べてしまった場合について
犬や猫が食べてはいけないものを食べてしまったときには、すぐに動物病院を受診しましょう。
その際には、できる限り「何を、いつ、どのくらいの量食べてしまったのか」をメモしておくと、治療に役立ちます。
また、もし嘔吐や下痢があった場合には、それらも捨てずに持参するようにしてください。
予防方法
犬や猫の手の届く場所には、危険な食べ物を置かないように十分注意することが大切です。
またジュースやお菓子、料理などにも中毒を引き起こす食材が含まれていることがあるので、基本的に犬や猫には人間の食べ物を与えないようにしましょう。
まとめ
人間にはおいしく健康に良い食べ物でも、犬や猫にとっては食べてしまうと命にかかわる危険なものも多くあります。
食べてしまわないよう注意することはもちろんですが、万が一食べてしまった場合にはすぐに動物病院に連絡をし、診察を受けましょう。
茨城県つくば市を中心に犬・猫の診療を行う
さくま動物病院