予防接種の重要性とは?|狂犬病、フィラリア、ダニ|茨城県つくば市の『さくま動物病院』

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2024/04/09

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予防接種の重要性とは?|狂犬病、フィラリア、ダニ

はじめて犬や猫をお迎えした飼い主様は、愛犬や愛猫の健康を守るために必要な予防が多く、どのような予防をいつ行うべきなのか、不安を感じる方も多いのではないでしょうか?

感染症を予防するために、狂犬病や混合ワクチンの接種、フィラリア、ノミやダニの予防を適切な時期に行うことは、さまざまな病気から犬や猫を守る上で非常に大切です。これらの予防を怠ってしまうと、多くの病気に感染するリスクが高まります。

今回は、狂犬病やフィラリア、ノミ、マダニ予防の重要性について解説します。

狂犬病の予防について

<狂犬病とは?>
狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染した犬や他の哺乳類から噛まれたり、引っかかれたりすることで、狂犬病ウイルスが体内に侵入し発症する感染症です。感染すると、ほぼ100%の確率で命を落とします

1956年以降、日本では人への感染例はないものの、世界では毎年約55,000人が特にアジアや南米、アフリカでこの病気が原因で亡くなっています。
狂犬病がない国は約10カ国程しかなく、日本もその中のひとつです。そのため、海外に行く際は、狂犬病の感染リスクに十分注意することが大切です。

<感染をもたらす病気や症状>
狂犬病に感染した犬は、主に狂躁期(きょうそうき)と麻痺期という2つの段階に分けられます。

・狂躁期:非常に興奮しやすくなり、目に入るものに頻繁に噛みつこうとします。そのため、自らのくちびるや舌を傷つけることもあり、口からは血が混じった泡や唾液がみられます。また、急な明るい光や大きな音に対して過剰に反応します。

・麻痺期:全身が麻痺して歩けなくなり、噛む力を制御する筋肉が機能しなくなるため、下あごが支えられず食事を摂ることが難しくなります。また、舌が口から垂れてよだれが出るなどの症状が現れ、最終的には昏睡状態に陥り死亡します

<予防方法と重要性について>
狂犬病の予防には、必ずワクチンを接種する必要があります。
日本では、狂犬病予防法に基づき、生後91日を超える場合には、毎年1回の狂犬病ワクチン接種が義務づけられています

フィラリア症の予防について

<フィラリア症とは?>
フィラリア症は、フィラリアという寄生虫によって引き起こされる病気です。
犬が蚊に刺されると、フィラリアの幼虫であるミクロフィラリアがその犬の血液に入り込み、体内を巡るうちに成長し成虫になります

フィラリアの成虫は犬の体内で長期間生存し、その間に繁殖を続けます。成虫が産み落としたミクロフィラリアは血液中にとどまり、別の蚊が犬を刺したときに血液と共に吸い上げられることで、犬から犬へと感染が広がります

<感染をもたらす病気や症状>
犬がフィラリアに感染すると、初期段階では特に症状がみられないこともあります。

しかし、感染が進行しフィラリアが成虫に成長すると、肺動脈や心臓に寄生し、心臓機能の衰えや血管の閉塞を引き起こすことがあります。また、咳や運動時のパフォーマンス低下、呼吸困難、疲労感、体重減少などの症状が起こることもあります。

さらに症状が進むと、重度の三尖弁逆流や大静脈症候群など、より深刻な健康問題を引き起こすことがあります。これらの状態に至ると、血尿や低血圧などの深刻な症状がみられ、急死するリスクも高まります。

<予防方法と重要性について>
フィラリア症は、蚊の吸血を介して感染する病気です。そのため、蚊が活動を始める時期から蚊がいなくなるまでの1ヶ月後にかけて、月1回の予防薬を投与する必要があります

また、予防薬には錠剤やチュアブル、スポットオン、注射製剤など、さまざまなものがあるため、どの予防薬を選ぶべきか迷ったら、獣医師に相談しましょう。

ノミ・マダニの予防について

<ノミ・マダニとは?>
ノミやダニは特に春から秋にかけて活動が活発になりますが、冬になっても完全には死滅せず、家の中に潜んでいることがあります。ノミやダニは草地や茂みなどに生息しているため、散歩時には特に警戒が必要です。
また、外出から帰宅する際に、無意識のうちにノミやダニを家の中に持ち込んでしまい、そのまま家に住みついてしまうことがあるため注意が必要です。

<感染をもたらす病気や症状>
ノミに咬まれると、皮膚に赤みや激しいかゆみが出ることがあり、アレルギー性皮膚炎を引き起こすこともあります。特にネコノミは、猫ひっかき病の原因となる病原体を運ぶ可能性があるため、注意が必要です。

ダニに咬まれると、かゆみを伴い、アレルギーや貧血を引き起こすことがあります。
皮膚を引っかくことで傷ができ、それが化膿する可能性もあります。ダニは様々なウイルスや細菌を病原体に運ぶことが知られています。
特に、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という病気では人にも感染し、場合によっては死に至るケースもあるため、特に注意が必要です。

<予防方法と重要性について>
ノミやダニの予防には、駆除薬を使用することによって感染を防ぐことが期待できます。
また、駆除薬には錠剤、チュアブル、スポットオンといったさまざまなタイプがあるため、どの駆除薬を使用するべきか迷った場合は、獣医師に相談することを推奨します。

まとめ

犬や猫の健康を守るためには、予防接種や定期的な健康診断が非常に大切です。
犬や猫を飼い始めたら、まずは動物病院を受診し、健康状態を確認するだけでなく、これらの予防方法についてしっかりと説明を受けましょう。


茨城県つくば市・牛久市・土浦市を中心に動物診療を行う

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